今回のテーマは、「世界のNGO TOP500ランキングに見るソーシャルインパクト」。
スイスとアメリカ合衆国に本拠を置くGlobal Journal誌の調査による「TOP 500 NGOs」というランキングを肴に、教育、震災復興、中間支援等のNPOで働いていたり、研究に取り組む仲間が集合。
(TOP10以降は有料コンテンツの為、研究開発費と思い、自費でオンライン年間購読を決意しました。笑)
| とりあえずやってみよう!という呼びかけで集まってくれた仲間たち。感謝です。 |
「やっぱバングラデシュのBRACって規模半端ないな…(一同騒然)」
「日本はどこがどれだけランクインしてる?(一同興味津々)」
「難民支援の世界トップはここだけど、日本の代表的な団体と評価軸をApple to Appleにして比較したら何が違う?」
などなど、日曜の午後からマニアック極まりない話題で盛り上がる若手・ミドル達。
| BRAC、従業員11万人。グローバル大企業かってレベルですよね。 |
議論が進むにつれて、純粋な疑問として出てきたのが、「社会的インパクト(Social impact)って結局何やねん」ということと、「未来の社会インパクト評価の軸って何なんだろう」ということ。
決して、数えられそうな数字を数えて、見せる化するのが社会的インパクト評価なのではなく、丁寧にシステム全体を見ながら、押すべきツボをきちんと決めることが必要なのかなと。
今日は、そのあたりについて共有させて頂ければと思います。
このランキングの主要査定基準は、革新性・社会インパクト・持続可能性なのだが、ランクインした団体を見ていると、国際開発系やBasic Human Needsを満たすポテンシャルが高い国で活動する団体が非常に多かった。
特に社会・経済インフラをこれから整えていく国・地域において、識字率や雇用という基準は社会的インパクトの指標としてとてもわかりやすいが、日本のような社会・経済インフラが相当整っている国における社会的インパクトとは何なのだろうか、識字率や雇用という指標だけで測られるんだろうか、という疑問が生まれた。
*国際開発やBHNを満たすポテンシャルが高い国での活動はそもそもハードル自体高いということは理解・イメージしつつ、状況に応じて適切なインパクトの測り方があるのでは、という話をしています。
「近所に学校がなく、学校に行きたくてもいけない子どもが学べるようにすること」と、「近所に学校はあるが、様々な理由で学校にいかない子どもが学べるようにすること」とでは、物事の成功を測る指標が異なる。
前者の状況なら、学校を建てて先生を雇うことが解決策であり指標になりそうだが、後者の問題なら、学校に行かない理由の調査が必要な上に、学校に行かせることがベストな解決策なのかと言えばそうでもないように思える。
何故なら、前者の問題は「物理的に近くに学校がないから学べない」という原因と結果が比較的わかりやすい問題なのだが、後者の場合は原因と結果の組み合わせが複数考えられる上に、ひとつの原因を潰したからと言ってすぐに結果が出ないものもある。
原因と結果が単線ではなく、時間の概念も加わっている=原因と結果がダイナミックになっていると言っていい。
原因と結果が単線ではなく、時間の概念も加わっている=原因と結果がダイナミックになっていると言っていい。
こうしたダイナミックな複雑性 Dynamic complexityから生まれる問題を解決する為に、問題の背景にある社会の状態をシステムとして捉える、因果関係をマッピングする必要があると思っている。
大局的に観て、困りごと・課題は何か。
課題マップ・システム図を描くとするとどのようになるのか。
具体的に、どこの誰が、どのように困っているのか。
状況をより良くする為に、誰が、誰に対していつまでに何をするのか。
最良の結果の為に手を取り合えるプレイヤーがいるとすれば、それは誰と誰か。
逆説的だが、社会システムの複雑性も踏まえて、本当に意味のあるインパクトを出そうと思ったら、ステークホルダー間の対話を通して上記を明らかにした上で、活動領域・内容そして評価軸を設定することがまずスタートラインになると感じた。
加えて、社会というのは未来に向かって進んで行くもので、現在の社会での課題が、5年・10年後に課題とも限らず、時間軸という観点も必要になる。
こうして考えていくと、本当に私見レベルだが、先進国であろうが途上国であろうが、本当に社会に必要とされるインパクトを出し、評価していくには、「社会システムの把握・分析」と「社会インパクト評価基準のテーラーメイド化」「テーラーメイド化した基準の説明の実施」を同時に進める必要がありそうだということが見えてきた。
と、なると、社会的インパクトやその評価というのは、Theory of Changeあたりのフレームと一対で管理・更新、対外的に報告していくのが今のところは適切なやり方なのかもな、とも思いました。
最後に、この勉強会に参加頂いた皆様、ありがとうございました!
その後、飲み会でも色々と深く話せて、楽しい日曜の夜でした。
テーマ・切り口を変えて第二弾を、という声も頂いてますので、社会課題に取り組む全ての人達の為、微力ですが引き続き学び場を作っていければと思っております!
興味のある方、ぜひ巻き込まれて頂ければと思います〜。笑
(原則、セクターは不問ですが、当該分野に実務・プロボノ等で携わっている方にご参加頂いています。)


